米国食品医薬品局は実験室での知見に基き、 汚染された種皮を原因とする腸管感染症を減らすために、 発芽野菜の種子に対する化学的消毒を推奨している。
1999年に、 Salmonella Mbandakaの集団発生がオレゴン、 ワシントン、 アイダホおよびカリフォルニア州で発生した。確認された87例の疫学的調査とパルスフィールド・ゲル電気泳動の結果から、 この集団発生の原因が、 カリフォルニア州のインペリアル・バレーで生育されたアルファルファの種子と判明した。"後ろ向き"、 "前向き"の追跡調査を行い、 一つのロットの種子が5カ所の芽栽培業者で使用されていたことを突き止めた。サルモネラ発症例はすべて、 化学的消毒を施していなかった2業者のアルファルファが原因であり、 消毒を施していた3業者の品を喫食した人からは感染者は出ていなかった。この"自然に行われた実験"により、 汚染種子由来の発芽野菜により引き起こされる腸管感染症のリスクを、 化学的消毒で減らすことができるとする経験的証拠が得られた。
(CDC、 EID、 9、 No.4、 474-479、 2003)