わが国における劇症型/重症溶血性レンサ球菌感染症起因菌emm49 Streptococcus pyogenes について

(Vol.24 p 112-113)

2000年〜2003年において、 1999年以前には劇症型/重症溶血性レンサ球菌感染症起因菌として分離されなかったemm49 Streptococcus pyogenes による劇症型/重症溶血性レンサ球菌感染症が5例(2000年1例、 2002年3例、 2003年1例)発生したので、 その分離株の遺伝的特徴について報告する()。

5株とも、 T血清型は型別不能であった。これらの株について、 制限酵素Sma I処理によるパルスフィールド・ゲル電気泳動(PFGE)を行ったところ()、 NIH200、 NIH211、 NIH230についてはPFGEのパターンに違いが見られなかった。一方、 その他の株のPFGEパターンはこれらのパターンと異なっていた。

このことから、 2000年以降に引き起こされたemm49 S. pyogenes による劇症型/重症溶血性レンサ球菌感染症は、 必ずしも同じ菌株によるものではないことが示唆された。

国立感染症研究所 池辺忠義 渡辺治雄
東京都健康安全研究センター 遠藤美代子
近畿大学     上田有香
川崎市衛生研究所 岡田京子
神奈川県衛生研究所 鈴木理恵子
聖マリアンナ医科大学病院 南  健
愛媛県立衛生環境研究所 田中 博
愛媛県立中央病院 中西徳彦
山口県環境保健研究センター 冨田正章
社会保険広島市民病院 西江宏行 石井典子 佐々木恵美
河北総合病院 三浦裕司 山村 徹

今月の表紙へ戻る


IASRのホームページに戻る
Return to the IASR HomePage(English)

idsc-query@nih.go.jp


ホームへ戻る