病原性の高いトリインフルエンザによる死亡例、 2003年−オランダ

(Vol.24 p 137-137)

2月末より続いているオランダにおける病原性の高いトリインフルエンザ(highly pathogenic avian influenza: HPAI)の流行で、 ヒトの死亡例が報告された。

報告された症例は57歳の獣医で、 本ウイルスに汚染された農場を訪れた後、 4月4日にインフルエンザ様症状を発症し、 重症肺炎のため4月17日にオランダの病院で死亡した。発症当初の咽頭と結膜ぬぐい液の検査では陰性であったが、 入院後の気管支肺胞洗浄液と剖検の肺組織から、 インフルエンザウイルスA/H7N7型の遺伝子が検出された。

この流行を抑えるための殺鶏処分に携わった職員の症例が以前より報告されており、 現在までに82例のインフルエンザウイルスA/H7N7型感染症例が確認されている。ほとんどの症例が結膜炎を呈し、 インフルエンザ様症状を呈している症例も報告されている。また、 家庭内における人→人感染も確認されている。

本流行は継続しており、 現在までに 1,100万羽のトリが殺処分された。さらにこの流行は国境を越えてベルギーにまで広がっている。

(Eurosurveillance Weekly、 7、 No.17、 2003)

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