2002年日本におけるブタから分離された日本脳炎ウイルスの解析

(Vol.24 p 153-153)

千葉県、 東京都、 石川県、 静岡県、 三重県、 和歌山県、 香川県、 高知県、 大分県、 熊本県、 沖縄県の2002年夏季のブタ血清を収集し、 ウイルス分離を試みた。ブタ血清は日本脳炎ウイルスIgM抗体が陽性となった時点より、 1週ないし2週前に採取した血清をウイルス分離材料として用いた。

香川(2株:JEV/sw/Kagawa/24/2002, GeneBank accession No.AB112706, JEV/sw/Kagawa/27/2002, GeneBank accession No.AB112707)、 三重(JEV/sw/Mie/41/2002, GeneBank accession No.AB112709)、 静岡(2株:JEV/sw/Shizuoka/33/2002, GeneBank accession No. AB112703, JEV/sw/Shizuoka/39/2002, GeneBank accession No.AB112704)、 千葉(JEV/sw/Chiba/88/2002, GeneBank accession No.AB112705)の分離株に関して、 E領域の遺伝子解析まで実施した結果、 いずれもワクチン株のIII型とは異なる遺伝子型I型であった。静岡で分離された2株、 香川で分離された2株は、 それぞれ全く同じウイルスであった。千葉、 静岡、 三重の分離株間のホモロジーは約98〜99%であり、 香川と静岡の分離株間のホモロジーは97%であったが、 いずれも極めて高いホモロジーを示した。

協力いただいた施設は、 千葉県衛生研究所、 東京都健康安全研究センター、 石川県保健環境センター、 静岡県西部食肉衛生検査所、 静岡県環境衛生科学研究所、 三重県科学技術振興センター保健環境研究部、 和歌山県環境衛生研究センター、 香川県環境保健研究センター、 高知県衛生研究所、 大分県衛生環境研究センター、 熊本県保健環境科学研究所、 沖縄県衛生環境研究所の12施設である。

国立感染症研究所・ウイルス第一部
高崎智彦 根路銘令子 倉根一郎

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