エコーウイルス9型の流行−宮崎県
(Vol.24 p 160-160)

宮崎県では、 感染症発生動向調査事業において2003年第1週〜23週までで、 発疹および無菌性髄膜炎に関する検査依頼はそれぞれ 103検体および6検体であり、 そのうち27検体からエコーウイルス9型を検出している。27検体のうち23検体は咽頭ぬぐい液、 3検体は鼻汁、 1検体は髄液であった。ウイルス分離は、 CaCo-2、 Vero、 HeLaの3種類の細胞を用いて行ったところ、 すべてCaCo-2細胞でのみ検出された。同定は市販の抗血清を用いた中和反応で行った。27例の患者の主な症状は、 発熱、 発疹が25例、 無菌性髄膜炎が1例、 口内炎が1例であった。患者の年齢は1歳未満(4例)、 1歳(12例)、 2歳(4例)、 3歳(4例)、 5歳(1例)で、 このうち5歳の例は無菌性髄膜炎を呈し、 5月9日(4病日)に採取された髄液からエコーウイルス9型が分離された。

宮崎県内の感染症発生動向調査事業におけるウイルス検出統計では、 1990年からのエコーウイルス9型の流行年は、 1994年(分離株数65株)、 1997年(同71株)、 2000年(同114株)と3年ごとで、 この流行サイクルから考えると今年は流行する可能性が高い。また、 2003年第1週〜23週までの宮崎県内の無菌性髄膜炎の患者報告数は7人で、 年齢は4〜7歳4人、 15〜19歳1人、 50〜59歳2人であった。今後の無菌性髄膜炎の患者発生状況についても注意したい。

宮崎県衛生環境研究所 岩切 章 元明秀成 山本正悟 岩城詩子 齋藤信弘
三宅小児科医院 三宅和昭

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