ヨーロッパにおける狂犬病の減少、 1990〜2002年

(Vol.24 p 200-200)

ヨーロッパにおけるヒトと動物の狂犬病の合計報告数は1990年の21,049例から減少を続け、 1997年に最小報告数(5,082例)を示した後増加して、 2002年には10,051例となった。

特に、 西および中央ヨーロッパにおける、 キツネへの経口ワクチン投与によって大幅な減少となった。また、 1990年代の東ヨーロッパの政治や経済の改善が、 狂犬病の流行状況や疾患サーベイランスの改善に大きく貢献していると考えられる。

狂犬病伝播の大半は赤キツネによるものであるが、 キツネ以外の動物(特にタヌキ)の狂犬病は1999年以降かなり増加している。また、 1990〜2002年の間にヨーロッパでは、 7〜42例のコウモリの狂犬病が報告された。

ヨーロッパにおけるヒトの狂犬病死亡年間報告数は7〜27例である。東ヨーロッパでの症例のほとんどは土着のもの由来であり、 土着の狂犬病のない国々では、 ほとんどが輸入例である。

キツネへの経口ワクチンの成功で、 2002年までにフィンランド、 オランダ、 イタリア、 スイス、 フランス、 ベルギー、 ルクセンブルグの7カ国が狂犬病の撲滅に成功した。

(Eurosurveillance Weekly、 7、 No.25、 2003)

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