A型肝炎の集団発生、 2003年−英国

(Vol.24 p 227-227)

Dorset州のWeymouthにおいて、 静注薬物常用者の間でA型肝炎の集団発生が確認された。A型肝炎ウイルスIgM抗体陽性の急性A型肝炎7例が、 2003年7月2日〜27日までの間に報告された。これらの症例の家庭内接触者の中から、 さらに2例の症例が保存血清の検査で見つかった。

9例は全例ヘロインを使用しており、 静注薬や関連器具の常用的な共用、 および宿泊施設の共用をしていた。症例や接触者の間で性的パートナーの共有もあった。症例と接触者は社会的に取り残された階層、 不定期労働者で、 しばしば無秩序な生活を送っていたため、 接触者調査やワクチン接種は不成功に終わった。

Weymouthの静注薬物常用者の多くはすでにB型肝炎ワクチンを受けている。今回の事例の症例との接触者をすべて把握するのは難しく、 見つけてもA型肝炎予防目的のワクチンを適当な時期に接種できるのはごく一部のため、 Weymouthのなるべく多くの静注薬物常用者と接触者に、 ワクチンを1回接種していく方法がとられた。特にA型肝炎ウイルス感染の危険性が高い接触者に対しては、 A型肝炎免疫グロブリンの使用も考えられている。

(CDSC、 CDR Weekly、 13、 No.31、 2003)

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