2.感染経路別に見ると、 HIV感染者では同性間性的接触によるものが76件(約56%)と第1位であった。また、 異性間性的接触によるものは33件(約24%)であった。
一方、 AIDS患者では同性間性的接触によるものが31件(前回12件)、 異性間性的接触によるものが27件(前回31件)で、 同性間性的接触によるものの増加が著しい。
3.年齢別に見ると、 HIV感染者では20代〜30代の占める割合が高く、 感染者全体の約68%(92件)を占めている。なお、 今回は10代の同性間性的接触によるものが3件報告されているのも特徴である。
一方、 AIDS患者では患者分布はHIV感染者より高年齢層に広がっており、 前回同様である。
4.平成15年4月〜6月末までの保健所におけるHIV抗体検査件数は15,618件、 自治体が実施する保健所以外の検査件数は3,631件、 相談件数が33,909件であり、 前年同時期と比較すると大幅に増加している(平成14年4月〜6月末までの保健所における検査件数は10,989件、 自治体実施する保健所以外の検査件数は2,947件、 相談件数は24,938件)。
5.平成15年1月〜6月の献血件数(速報値)は2,818,053件で、 そのうちHIV抗体・核酸増幅検査陽性件数は22件、 10万件当たりの陽性件数は0.781件であった。
6.今回の報告はHIV感染者では前回報告・前年同時期報告のいずれと比較しても増加は見られなかった。AIDS患者は増加しており、 とくに日本国籍の男性の同性間性的接触によるAIDS患者の増加が顕著である。届出されたAIDS患者は、 HIVに感染しても発症するまで受診しない人達である。早期発見・治療は発症防止に有効なため、 自発的な検査へ導く普及啓発をさらに充実させる必要がある。また、 今回、 日本国籍の10代のHIV感染者報告が3件あり、 同様に今後の動向に注意する必要がある。
一方、 保健所の検査・相談件数は増加の傾向を示しており、 その利用度が高まっていることがうかがわれる。いずれにしても夏休みに実施している青少年向けの普及啓発事業をさらに推進していく必要がある。