A群コクサッキーウイルス10型およびエコーウイルス30型の分離−札幌市
(Vol.24 p 224-224)

2003年4月〜7月までに、 札幌市の感染症発生動向調査事業における検査定点から搬入された、 急性上気道炎患者の咽頭ぬぐい液4検体からA群コクサッキーウイルス10型(CA10)が分離された。また、 無菌性髄膜炎と診断された患者3名および急性上気道炎と診断された患者2名の咽頭ぬぐい液5検体、 無菌性髄膜炎と診断された患者1名の髄液および鼻汁からエコーウイルス30型(E30)が分離された。現在、 さらに無菌性髄膜炎患者7名の髄液について検査中である。

ウイルス分離にはRD-18S、 Vero、 KB細胞を用い、 すべてRD-18S細胞により分離された。中和試験は、 国立感染症研究所から分与されたエコーウイルスプール抗血清(EP95)および単味抗血清、 デンカ生研製エンテロウイルス混合抗血清および単味抗血清を用いて行った。

これまで札幌市では、 エンテロウイルスの大規模な流行はなかったが、 市内医療機関(小児科)からは6月中旬以降、 例年に比べ無菌性髄膜炎の患者が多いとの情報があり、 今後の動向に注意が必要である。

札幌市衛生研究所 菊地正幸 宮北佳恵 土屋英保 大谷倫子 藤田晃三
市立札幌病院   富樫武弘

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