無菌性髄膜炎患者からのエコーウイルス6型/30型の分離−堺市
(Vol.24 p 222-222)

堺市感染症発生動向調査の市内3定点病院より、 2003年6月1日〜8月20日現在までに無菌性髄膜炎62名(男43名、 女19名)の患者検体が搬入され、 5名からエコ―ウイルス6型(E6)、 30名からエコーウイルス30型(E30)、 1名からエコーウイルス18型(E18)、 2名からエンテロウイルス71型(EV71)、 1名からムンプスウイルスが分離同定された。

ウイルス分離にはRD細胞、 LLC-MK2細胞、 Vero細胞およびFL細胞を用いたが、 RD細胞およびLLC-MK2細胞のみで分離された。ウイルス同定は(株)デンカ生研のエンテロウイルス中和用混合血清を使用した。

患児の主症状は発熱(39.6℃〜38℃)、 嘔気、 嘔吐、 頭痛、 胃腸炎症状等である。

E6およびE30が分離された患者の年齢構成を図1に示す。E30では6〜7歳にピークがみられたが、 E6にはみられなかった。E30の男女比は 2.5:1、 E6は3:2である。E18は3歳男児、 EV71は5歳と3カ月の男児それぞれ1名、 ムンプスウイルスは2歳女児である。

採取された材料からの分離陽性例は、 糞便(15検体)、 髄液(31検体)、 咽頭ぬぐい液(19検体)、 鼻汁(1検体)、 尿(1検体)であり、 2検体以上からの分離例は22名であった。1例の尿からE6が分離されたが、 この患者は1カ月女児で、 粘液便も認められ、 この便検体からも同じウイルスが分離された。

堺市衛生研究所
内野清子 岩上泰雄 吉田永祥 三好龍也 薗 輝久 前田章子 田中智之
堺病院・小児科 橋爪孝雄 岡田伸太郎
ベルランド総合病院・小児科 松本小百合

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