2003年第43週(10月20〜26日)に、スコットランドでのインフルエンザの局地的な増加が報告された。イングランド、アイルランド、スペインでも散発している。
第42週までに定点医療機関から集められた呼吸器分泌物の検体は 287検体あり、そのうちの37検体(13%)がインフルエンザウイルス陽性であった。26検体でインフルエンザA/H3N2型、11検体でA型(型別不明)が確認された。インフルエンザB型は確認されていない。
変異株のA/Fujian(福建)/411/2002(H3N2)は第42週には北アイルランドから1株、第43週にはイングランドから4株とアイルランドから3株、計7株が報告された。
変異株のA/Fujian/411/2002(H3N2)は、南半球(オーストラリアとニュージーランド)で2003シーズンに流行した主な株であり、比較的大きな流行状況であった。この株は、2003/04シーズンのワクチン株に含まれているA/Panama(H3N2)様株と類似しており、ワクチンで抗体価は低いが変異株に対する抗体も誘導でき、防御免疫を獲得できると期待される。
(Eurosurveillance Weekly, 7, No.45, 2003)