1.趣旨
BSE感染牛の国内発生を受けた「BSE問題に関する調査検討委員会報告」等を踏まえて、食品安全行政について抜本的に見直すため、食品安全基本法が制定され、内閣府に食品安全委員会が設置された。
食品の安全性の確保のためには、農林水産物の生産段階においても万全の措置を講ずる必要があることから、肥料取締法、薬事法、農薬取締法及び家畜伝染病予防法並びに飼料の安全性の確保及び品質の改善に関する法律について、
(1)生産資材の安全性の確保及び使用の適正化の徹底
(2)事故発生時における対応措置の拡充
(3)厚生労働省との連携の強化
等の観点から、所要の改正が行われた。
2.家畜伝染病予防法の一部改正の概要
(1)衛生管理基準の策定(第12条の3、第12条の4) 家畜の飼養段階での衛生管理の徹底を図り家畜の伝染性疾病の発生を抑制するため農林水産大臣が特定の種類の家畜の飼養に係る衛生管理の適正化のための基準を策定し、家畜の所有者に当該基準の遵守を義務付けることとした。
(2)防疫指針の策定(第3条の2)
特に総合的に発生予防及びまん延防止のための措置を講ずる必要がある家畜伝染病について、農林水産大臣があらかじめ、必要となる措置を実施するための指針を策定することとした。
(3)厚生労働大臣との連携の強化(第4条第2項) 届出伝染病の中には、人畜共通の伝染病も含まれることから、届出伝染病の指定・解除に当たり、農林水産大臣は厚生労働大臣の意見を聴かなければならないこととした。
(4)食料・農業・農村政策審議会への諮問(第2条第3項等)
家畜伝染病の指定、防疫指針の策定、衛生管理基準の策定等の最新の科学的知見及び専門的経験を踏まえて検討が必要な事項については、食料・農業・農村政策審議会の意見を聴かなければならないこととした。
(5) 家畜伝染病の名称の変更(第2条第1項)
家畜伝染病の名称について、国際基準との整合性を踏まえ、不必要な誤解を与えないものとするという観点から「家きんペスト」を「高病原性鳥インフルエンザ」に改めた。
農林水産省消費・安全局