輸血関連の変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)症例の可能性−英国


(Vol.25 p 46-46)

輸血が感染原因と考えられる第1例目のvCJD症例が英国で報告された。症例は1996年前半の手術の際に輸血を受けたが、2003年初め頃に発症して秋に死亡しており、死後の検査でvCJDと確定診断された。供血者は1999年に発症し、その後死亡している。輸血を受けた当時は、この症例と供血者はともに無症状であった。この両者の因果関係が証明されたわけではないが、輸血が感染原因である可能性は否定できない。

今回の輸血は、このような可能性を防ぐための一連の対策が最初に取られた1997年以前のことである。1998年には、供血血液からの白血球除去のプログラムが始まり、英国由来血漿を用いての血液製剤の製造が段階的に行われなくなった。今回の事例を受けて、国立血液供給センターや血液製剤・移植における感染症の専門委員会は、現在実施されている対策の見直しを行う。

現時点でイングランド・ウェールズでは、後にvCJDを発症した人からの輸血を受けた人が15人おり、うち5人は白血球除去が始まってからの輸血であった。これらの症例は調査中である。

(CDSC, CDR Weekly, 13, No.51, 2003)

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