2.感染経路別に見ると、HIV感染者では、同性間性的接触によるものが100件(前回89件)、異性間性的接触によるものは58件(前回41件)であった。
一方、AIDS患者では、同性間性的接触によるものが28件(前回22件)、異性間性的接触によるものが47件(前回23件)であった。
年齢別に見ると、これまで同様、HIV感染者では20代〜40代、AIDS患者では30代以上の占める割合が高い。 なお、前回(2件)同様10代の感染報告が3件(うち女性2件)であった。
3.地域別に見ると、今回、大阪での新規HIV感染者報告数が31件と前回の13件から大幅な増加を示している。
4.平成15年10月〜12月末までの保健所におけるHIV抗体検査件数は15,232件(前年同時期14,988件)、自治体が実施する保健所以外の検査件数は4,930件(前年同時期3,901件)、保健所における相談件数が32,519件(前年同時期29,405件)であり、自治体が実施する保健所以外の検査件数が前年同時期と比較して大幅に増加している(なお、前回の保健所における検査件数は13,732件、自治体が実施する保健所以外の検査件数は4,119件、保健所における相談件数は30,743件)。
5.平成15年1月〜12月の献血件数(速報値)は5,621,096件で、そのうちHIV抗体・核酸増幅検査陽性件数は87件であった。10万件当たりの陽性件数は1.548件となっており、平成12年(1.140件)以降毎年増加している。
6.平成15年の新規HIV感染者報告数(速報値)は、前年最終報告に比べて現在のところ13件多い627件であり、過去最高の621件(平成13年確定値)を超えている。新規AIDS患者報告数(速報値)は、前年最終報告に比べて18件多い326件であった。
7.平成15年の速報値からは、HIV感染者報告数は現時点で過去最高を記録している。さらに、献血陽性件数についても現時点で過去最高を示しており、感染者が着実に増えていることを広く国民に知ってほしい。
平成15年の検査件数については、自治体が実施する保健所以外の検査件数が伸びを示しているのが特徴である。
特に大都市においては、時間や場所等に関して、より利便性の高い検査体制を整備すると同時に、普及啓発のさらなる充実を図る必要がある。