経静脈薬物常用者における破傷風の発生(継続中)、2004年−英国


(Vol.25 p 105-105)

英国では全国規模で、経静脈薬物常用者における破傷風の発生が継続している。2003年7月以来、計20人の患者が報告されている。最近の患者の発症日は2004年2月20日である。患者はイングランド、スコットランド、ウェールズに分布し、イングランド北西部と中央部では患者集積が認められている。4人の患者は、リバプールの業者から入手したヘロインを使用していた。12人は女性、8人は男性で、年齢中央値は33歳であった。2人は重症で、1人はすでに死亡している。

ワクチン接種歴の情報は10人から得られた。3人が未接種、5人が推奨されている5回接種を完了していなかった。重症の2人は5回の接種を受けていた。破傷風についての免疫状態の情報は8人の患者について得られたが、7人が感染防御レベル以下で、感染防御レベルであった1人の症状は軽度であった。

1人の患者から破傷風菌(Clostridium tetani )が検出され、他の2人から破傷風毒素が検出された。生産、輸送、貯蔵、加工、注射のいずれかの過程で汚染されたヘロインが原因として疑われている。欧州の他地域での同様な患者報告は無いことから、英国内でのヘロイン汚染と考えられている。症例の付帯情報から、皮下注射が感染に関与していると推測されている。

(SCIEH Weekly Report, 38, No.2004/09)

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