家禽のサルモネラコントロールプログラムの家禽とヒトへの効果−デンマーク


(Vol.25 p 186-186)

デンマークのサルモネラコントロールプログラムは1996年12月に始まったが、2003年3月に見直しが行われた。このコントロールプログラムは根絶戦略に基づいており、感染した家禽群は強制畜殺される。

国内サルモネラコントロールプログラムはすべてのサルモネラ血清型をカバー(ただし、宿主特異性のあるSalmonella PullorumとS . Gallinarumを除く)し、産卵鶏とブロイラー鶏の両方の生産システムを対象とするものである。サンプリングと検査(血清学的および細菌学的)が行われ、感染した鶏群は可及的早期に検出がなされる。

ブロイラー鶏に対する結果:サルモネラ菌陽性であるブロイラー鶏群の率は、1997年の13%から2002年の1.5%へと減少した。

種鶏に対する結果:プログラム開始時から、サルモネラに感染している種鶏群の率は1.2%程度である。なぜなら、デンマークは他の参加国と同様に、1990年代初期からS . EnteritidisとS . Typhimuriumに対するコントロールプランを立ててきたためである。

産卵鶏に対する結果:感染している産卵鶏群の率は、1998年の13%から2002年の2.6%へと減少した。多い型はS . Enteritidisファージ型8である。

ヒトの感染症への影響:ヒトのサルモネラ感染症は1997年に5,015例であったが、2002年には2,071例となり、59%減少した。2003年にはわずかに1,712例であった。1997年から2002年の期間に、卵が関連したヒト症例数は80%減少したが、卵に関連したサルモネラ感染の割合は、1997年の60%から2002年の31%に減少した。デンマークで消費される鶏肉の多くと卵のほとんどすべてが国内で生産されるので、ヒト感染者数が減少したことは、コントロールプログラムの直接の成果である可能性が高い。

(Eurosurveillance Weekly, 8, Issue 23, 2004)

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