相互に関連のあるアイルランド人観光旅行者2名における、Algarve (ポルトガル)でのウエストナイルウイルス感染

(Vol.25 p 305-305)

2004年7月21日、アイルランド国立ウイルス研究所から国立疾病サーベイランスセンターに、ウエストナイルウイルス(WNV)感染疑い患者2名が報告された。2名は、6月26日〜7月10日に滞在したAlgarve(ポルトガル)で感染したと考えられている。2名は滞在の終わり頃にインフルエンザ様の症状を呈し、1名は軽い脳炎の症状・徴候を示したが、2名とも回復している。最初の検体から1週間後に採取された検体の検査で、IgM抗体が1名において高値、もう1名において有意な上昇が確認された。その後、英国健康防護局(HPA)においてもWNV感染が確定された。

これらの症例は、アイルランドおよび北西ヨーロッパにおいて初めて報告されたWNV輸入症例である。地中海沿岸諸国ではここ40年間、ヒト・哺乳類・鳥・ベクターでの散発的な感染が確認されている。ポルトガルではこれまで報告はないが、1960〜1970年代の研究では低レベルの感染伝播が示唆されている。ポルトガル当局は、ヒト・動物・蚊に対する警戒システムの強化を含む、国の行動計画を開始した。

アイルランドと英国では、蚊に刺されるリスクのあるあらゆる地域(南ヨーロッパを含む)への旅行者に向け、WNV感染症や他の媒介動物による疾患に対する予防法の情報が提供された。

(Eurosurveillance Weekly, 8 Issue 32, 2004)

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