スコットランド北東部の野生動物センター訪問に関連したクリプトスポリジウム集団感染

(Vol.26 p 181-181)

2005年4月25日現在、3月25日以後にスコットランドのPerthshire地方にある野生動物センターを訪れたことに関連する集団感染で、Cryptosporidium parvum による感染確定例が62例であることがNational Health Service(NHS)Taysideより報告された。重症例はないが、6名の子供が病院で治療を受けており、現在は回復中である。

野生動物センターには仔ヒツジ、ニワトリ、ヒヨコ、ウサギ、ウシ、アヒル、その他の動物がおり、一時的に設置された「ふれあい広場」で大人、子供が生まれて間もない動物たちに触ることができた。「ふれあい広場」近くには手洗い場所がなかったが、消毒用ハンドクリームは設置され、これを使うことができた。

集団感染が起こった3月25日〜4月18日の間に、およそ4,000人が当センターを訪れたと考えられる。少なくとも感染者の一人はイングランド南部から来ており、他にもスコットランド在住でない人たちが罹った可能性がある。

感染流行対策チームは感染源を明らかにするために、疫学的、環境的、獣医学的、微生物学的に詳細な調査を継続している。当該地域の一般開業医および病院には注意報が発せられ、疑い症例からの糞便試料の提出、地域の公衆衛生当局への症例の報告を積極的に行うよう求められた。さらにスコットランドのメディア(新聞、ラジオおよびテレビ)を通じて、情報は幅広く周知された。各市民は、もし感染したら積極的に地域の開業医を受診する、あるいは積極的にNHSの電話相談を利用して情報を得るように勧められた。

対策チームは4月25日に会合を開き、最初の会合を行った4月19日以後の発布として、市民に向かって衛生管理をしっかり守り、動物や動物の糞便、また感染している人と接触した時は感染を防ぐために石鹸と水で十分手を洗うことを呼びかけた。

(Eurosurveillance Weekly, 10, Issue 17, 2005)

*その他の情報によれば、その後患者数は104名にのぼり、スコットランドで記録された水系感染以外のクリプトスポリジウム症流行としては最大規模となった。数名の養護学校生徒が、生まれて間もない仔ヒツジと接触し原虫に感染、その後学校内で多数の生徒に二次感染した可能性が高いと考えられている。

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