最近の急性肝炎の既往のない人での、急性A型肝炎ウイルス感染の血清検査陽性例、2002〜2004年−米国

(Vol.26 p 225-226)

州公衆衛生当局とCDCは、急性A型肝炎ウイルス血清検査が陽性(すなわち、IgM抗HAV陽性)であるが、臨床診断基準を満たさなかった症例を調査した結果、そのような陽性例のほとんどは、最近の急性A型肝炎罹患を示すものではないことが示唆された。接触者における曝露後ワクチン接種の必要性につき、評価が必要であることを考えさせるものである。IgM抗HAV検査陽性の的中度を改善するためには、血清検査対象を、典型的症状を示す急性A型肝炎患者や、A型肝炎ウイルスへの曝露が疑われる症例に限定すべきである。

コネチカット州:公衆衛生当局は電話インタビューにより、2002年1月〜2003年4月に報告された127例の血清検査陽性例について、調査を行った。CDCの急性A型肝炎の症例定義を満たしていたのは108例であった。残りの19例は年齢中央値が48歳(28〜88歳)、女性が10例(53%)で、急性A型肝炎症例と最近の接触歴がなく、9例は無症状で、他の10例ではA型肝炎に合致しない臨床像であった。

アラスカ州:2002〜2004年、臨床診断基準には合致しない血清検査陽性例が10例みられた。年齢中央値は60歳(9〜77歳)であった。7例がALT異常値を示し、肝障害が示唆されたが、A型肝炎とは考えにくかった。他の3例は症状がなかった。

郡のサーベイランス、2003年−米国:6つの郡(コロラド州デンバー、アラバマ州ジェファーソン、ワシントン州タコマピース、フロリダ州ピネラス、カリフォルニア州サンフランシスコ、オレゴン州マルトマ)でのサーベイランスの結果、2003年に血清検査陽性であった140例のうち87例(62%)は、A型肝炎や他のウイルス性肝炎の症例定義に合致しなかった。A型肝炎の症例定義に合致しない例は合致した例に比べ、明らかに高齢であり、また女性に多い傾向がみられた。

(CDC, MMWR, 54, No.18, 453-456, 2005)

今月の表紙へ戻る


IASRのホームページに戻る
Return to the IASR HomePage(English)



ホームへ戻る