日本のAIDS患者・HIV感染者の状況

厚生労働省健康局疾病対策課
平成17年8月12日

(Vol.26 p 249-251)

エイズ動向委員会委員長コメント(要旨)

1.今回の報告期間は2005(平成17)年4月4日〜2005(平成17)年7月3日までの約3カ月である。法定報告に基づく新規HIV感染者報告数は171件(うち男性160件、女性11件。前回報告207件)で、前年同時期の新規HIV感染者報告数は199件である。

一方、新規AIDS患者報告数は89件(うち男性83件、女性6件。前回報告79件)で、前年同時期の新規AIDS患者報告数は78件である。

2.感染経路別に見ると、新規HIV感染者では同性間性的接触によるものが113件(全HIV感染者報告数の約66%)と最も多く、そのうち107件が日本国籍男性であった。また、異性間性的接触による新規感染者報告数は35件(全HIV感染者報告数の約20%、うち男性27件、女性8件)である。

一方、新規AIDS患者では同性間性的接触によるものが32件(全AIDS患者報告数の約36%)、異性間性的接触によるものが33件(全AIDS患者報告数の約37%、うち男性30件、女性3件)となっている。

年齢別では、新規HIV感染者は20〜30代が大多数(約72%)を占め、新規AIDS患者は30〜50代と広く分布している。

要約すると、感染者・患者とも90%以上を男性が占め、その中でも同性間性的接触による感染が大多数を占めるという状態である。

3.2005(平成17)年1月〜6月末までの保健所におけるHIV抗体検査件数は37,214件(前年同時期30,007件)、相談件数が63,221件(前年同時期65,439件)であった。

4.2005(平成17)年1月〜6月の献血件数(速報値)は2,725,863件(前年同時期2,740,576件)で、そのうちHIV抗体・核酸増幅検査陽性件数は36件、10万人当たりの陽性件数は1.321件(前年同時期1.642件)であった。

5.今回の報告では新規HIV感染者報告数の減少が見られたものの、全体として引き続き増加傾向にあると言える。このため、国民は感染の機会が増えつつあることに留意して、HIV・AIDSについての理解を深め、積極的に予防やHIV抗体検査の早期受診に努めるべきである。都道府県等においても、普及啓発を推進するとともに、保健所を中心に、利用者の利便性(例えば時間帯・場所など)に配慮した検査・相談事業を一層推進して、HIV感染の早期発見による早期治療と感染拡大の抑制に努める必要がある。

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