小児における7価肺炎球菌ワクチン定期予防接種の重症肺炎球菌感染症に対する直接的、および間接的効果、1998〜2003年−米国

(Vol.26 p 347-347)

肺炎球菌は米国における肺炎および髄膜炎の主な原因菌であり、特に小児と老人が罹患する。米国では2000年より7価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV7)が、5歳未満の小児の定期予防接種に認可された。2001および2002年のサーベイランスデータでは、小児および成人における重症肺炎球菌感染症(IPD)発生の有意な減少を認めた。本報告は、CDCおよび一部の州が運営するサーベイランス協力プログラムである新興感染症プログラムネットワークの、積極的重点細菌サーベイランス(ABCs)から得た地域住民データを用い、2003年までのPCV7の効果評価の最新情報である。

本解析の結果から、1)幼児に対するPCV7による定期予防接種の結果、接種対象年齢のみならず、年長児および成人のIPD発生率は継続して有意に減少、2)2003年においてはPCV7予防接種により、予防接種を受けた小児への直接効果と比較して、集団免疫による間接効果が2倍以上認められた、3)ワクチンに含まれない血清型の肺炎球菌による発症の増加(別の血清型への置換)は一部の集団で認められているものの、ワクチンに含まれる血清型全体による発症の減少と比べると、少なかった。

ワクチンに含まれる血清型によるIPDの減少が持続すること、および、血清型の置換により定期接種の実質的な効果が減少することの2点を評価するため、今後もサーベイランスを継続する必要性が示唆された。

(CDC, MMWR, 54, No.36, 893-897, 2005)

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