<参考> 感染症法に基づく腸管出血性大腸菌感染症届出基準

(Vol.27 p 149-149:2006年6月号)

(1)定 義
ベロ毒素(Verotoxin, VT)を産生する腸管出血性大腸菌(Enterohemorrhagic E. coli , EHEC、Shigatoxin-producing E. coli , STECなど)の感染によって起こる全身性疾病である。

(2)臨床的特徴
臨床症状は、一般的な特徴は腹痛、水様性下痢および血便である。嘔吐や38℃台の高熱を伴うこともある。 さらにベロ毒素の作用により溶血性貧血、急性腎不全を来し、溶血性尿毒症症候群(Hemolytic Uremic Syndrome, HUS)を引き起こすことがある。小児や高齢者では痙攣、昏睡、脳症などによって致命症となることがある。

(3)届出基準
ア.患者(確定例)
医師は、(2)の臨床的特徴を有する者を診察した結果、症状や所見から腸管出血性大腸菌感染症が疑われ、かつ、次のの左欄に掲げる検査方法により、腸管出血性大腸菌感染症患者と診断した場合には、法第12条第1項の規定による届出を直ちに行わなければならない。

この場合において、検査材料は、同欄に掲げる検査方法の区分ごとに、それぞれ同表の右欄に定めるもののいずれかを用いること。

イ.無症状病原体保有者
医師は、診察した者が(2)の臨床的特徴を呈していないが、次の表の左欄に掲げる検査方法により、腸管出血性大腸菌感染症の無症状病原体保有者と診断した場合には、法第12条第1項の規定による届出を直ちに行わなければならない。

この場合において、検査材料は、同欄に掲げる検査方法の区分ごとに、それぞれ同表の右欄に定めるもののいずれかを用いること。

ウ.感染症死亡者の死体
医師は、(2)の臨床的特徴を有する死体を検案した結果、症状や所見から、腸管出血性大腸菌感染症が疑われ、かつ、次の表の左欄に掲げる検査方法により、腸管出血性大腸菌感染症により死亡したと判断した場合には、法第12条第4項の規定による届出を直ちに行わなければならない。

この場合において、検査材料は、同欄に掲げる検査方法の区分ごとに、それぞれ同表の右欄に定めるもののいずれかを用いること。

エ.感染症死亡疑い者の死体
医師は、(2)の臨床的特徴を有する死体を検案した結果、症状や所見から、腸管出血性大腸菌感染症により死亡したと疑われる場合には、法第12条第4項の規定による届出を直ちに行わなければならない。

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