ヨーロッパにおけるノロウイルス流行の増大

(Vol.28 p 51-51:2007年2月号)

2006年11月24日と12月4日に、Foodborne Viruses in Europe network(FBVE)を介してヨーロッパ諸国の保健当局に、ハンガリーとドイツそれぞれにおけるノロウイルス集団発生件数の顕著な増加が報告された。FBVEには13カ国が参加しているが、調査に協力した11カ国中9カ国では、2004年、2005年の同時期と比較して、2006年10〜11月においてノロウイルスの集団発生件数や患者数の増加がみられた。

2006年の夏にはすでに、ハンガリーのみならずオランダ、デンマーク、アイルランド、フィンランド、ノルウェーの保健当局より、ノロウイルス活動性の異常な増加が報告されていた。10〜11月に始まった108件の集団発生からのノロウイルス分離株では、81%は最近の型としては優勢となっているGII/4型であった。そのうちの47%は変異株GII/4 2006a、22%は変異株GII/4 2006bであった。GII/4 2006aは2005年にイングランドで、GII/4 2006bは2005年12月にスペインで初めて分離された。2006年春にはGII/4 2006bは広範囲に認められており、ヨーロッパを航海する観光船において少なくとも45件の集団発生の原因となっている。

2006/07シーズンでは、新しい変異株であるGII/4 2006が優勢となるにともない、ノロウイルスの流行が大きくなることが予想される。

(Eurosurveillance Weekly 11, 14 December, 2006)

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