スウェーデン中部に位置するVärmland郡では、1999年に患者20例以上の初めての野兎病の集団発生が生じて以降、2005年までに年間平均22例が報告されている。
2006年にはVärmland郡において、90例(16例は実験室診断例)に達する野兎病の大規模な集団発生がみられている。これらの大多数はVänern湖付近の地域からの報告である。この温暖な気候が続けば、患者数は今後も増加することが予想される。
1999年の集団発生では、Hammaröゴルフコースおよびその隣接地域との関連が明らかであったが、これは2006年の症例の一部においても認められている。野兎病が発生したVänern湖北岸の周辺地域には、三角洲、浜辺、ゴルフコースがあり、これは、野兎病菌が蚊および水生原虫を介して伝播するとの仮説と合致する。同地域の保健当局は、ゴルフコースでは昆虫忌避剤をより一層使用するよう、積極的に勧めることを検討している。
(Eurosurveillance Weekly 11, 21 September, 2006)