<通知> 井戸水を原因食品とする乳児ボツリヌス症の報告について

(Vol.28 p 114-115:2007年4月号)

健水発第1208001号
食安監発第 1208001号
雇児母発第 1208001号
平成18年12月8日
都道府県
保健所設置市衛生主管部(局)長 殿
特別区
厚生労働省健康局水道課長
医薬食品局食品安全部監視安全課長
雇用均等・児童家庭局母子保健課長

蜂蜜を摂取した場合の乳児ボツリヌス症対策については、昭和62年10月20日付け健医感第71号、衛食第170号、衛乳第53号、児母衛第29号「乳児ボツリヌス症の予防対策について」により通知しているところですが、今般、乳児ボツリヌス症を発症した乳児について、感染経路等の調査の結果、乳児用調製粉乳の調製に使用した井戸水を原因食品とする食中毒発生速報が報告されました。乳児ボツリヌス症については、これまで飲料水に起因したとされる報告が国内外とも見いだされてなく、どのような飲料水について、乳児ボツリヌス症の発症リスクが高いのかは必ずしも解明されていませんが、今般事案の井戸水については、大腸菌が検出される等、衛生上の問題があったと考えられるところであり、短時間の煮沸によっては殺菌等が十分とならない病原生物が存在することに留意することが必要です。

つきましては、下記事項について、特に1歳未満の乳児の保育に当たる保護者、乳児を対象とする児童福祉施設等に対し、保健関係者及び医療関係者を通じ適切な指導を行うよう、特段の対応をお願いします。

1.自家用飲用井戸や湧水等(以下、「自家用飲用井戸等」とする。)の水は、居住成人で直ちに影響が現れなくとも、細菌、硝酸態窒素、ヒ素等により汚染されていることは珍しいことではなく、飲用井戸等衛生対策要領(昭和62年衛水第12号)を踏まえた適正な管理、水質に関する定期的な検査等衛生の確保を図ること。

2.1歳未満の乳児の調製粉乳の調製及び水分補給には、
 ・水道水、又は
 ・水道法に基づく水質基準に適合することが確認されている自家用飲用井戸等の水、又は
 ・調製粉乳の調製用として推奨される容器包装に充填し、密栓又は密封した水
のいずれかを念のため一度沸騰させ50℃程度に冷ましたものを使用すべきこと。

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