曝露後および海外渡航者へのA型肝炎予防に関する米国予防接種諮問委員会による勧告の改訂
(Vol. 29 p. 55-55: 2008年2月号)

2007年2月の米国予防接種諮問委員会(ACIP)の会議で、A型肝炎ウイルス(HAV)に曝露された2〜40歳の1,090人を対象として実施した二重盲検無作為臨床試験(RCT)の結果が報告された。ACIPの肝炎ワクチン作業部会が、本調査結果および作業部会内外の専門家の意見、国外を含むACIP協力機関の意見などに基づいて、ウイルス曝露後および海外渡航者へのA型肝炎予防に関する改訂案をまとめ、2007年6月のACIPの会議において勧告された。

曝露後予防投与:最近HAVに曝露された者のうち、これまでA型肝炎ワクチン接種歴がない者の場合には、できるだけ早期に単抗原A型肝炎ワクチンの1回の接種、または免疫グロブリン(IG)( 0.02ml /kg)を投与すべきである。

 ・12カ月〜40歳の健常者には、年齢に適合した量のA型肝炎ワクチン接種が推奨される。
 ・40歳を超える成人にはIG投与が推奨される。IGが入手困難な場合は、ワクチンの使用でも良い。
 ・12カ月未満の小児や免疫不全状態、慢性肝臓疾患、ワクチン接種禁忌の者には、IGが使用されるべきである。

海外渡航者:A型肝炎の高度あるいは中等度流行国へ、旅行するあるいは働きに行く、免疫を持たないすべての渡航者は、出発までにワクチン接種あるいはIG投与(0.02ml/kg)を受けるべきである。年齢に適合した量のA型肝炎ワクチン接種が、IG投与よりも推奨され、渡航予定となった場合、できるだけ早期に初回ワクチン接種を受けるべきである。

 ・ほとんどの健常者については、出発前のどの時点でワクチン接種を1回受けたとしても、十分な効果が期待できる。
 ・年長者や免疫不全状態、慢性肝臓疾患、その他の慢性疾患の患者で、2週間以内の渡航が予定されている者は、初回ワクチン接種とIG投与を同時に受けるべきである。
 ・ワクチン接種を望まない渡航者や12カ月未満の小児、ワクチン成分にアレルギーを有する者は、IG投与を受けるべきであり、3カ月間の効果が期待できる。

 (CDC, MMWR, 56, No.41, 1080-1084, 2007)

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