当初百日咳によると考えられた呼吸器疾患の集団発生、2004〜2006年−米国
(Vol. 29 p. 80-80: 2008年3月号)

2005年の米国での百日咳の報告(可能性ありとされたもの、検査診断されたものを含む)は25,616件と、2001年の約3倍であった。この増加の原因としては、1)百日咳菌の蔓延、2)ワクチンによって付与された免疫の低下、3)医療従事者の関心の増大、4)診断にPCRを用いることの増加、などが考えられる。百日咳の伝播を最小限にするためには感染力が最も強い発症早期の対応が重要である。しかし、その非特異的な症候や症状により診断は困難であり、感度・特異度が高い迅速な検査方法もない。当初百日咳によると考えられ、それぞれ大規模な対応が行われたが、その後の検査、疫学調査等から集団発生の原因として百日咳は否定された事例が、ニューハンプシャー州(病院)、マサチューセッツ州(病院)、テネシー州(地域)で報告された。

百日咳の集団発生を疑って大規模な対策を検討する際には、厳密な疫学調査と検査によって、真に百日咳が原因かを見極めることが重要であると示唆された。

(CDC, MMWR, 56, No.33, 837-842, 2007)

今月の表紙へ戻る


IASRのホームページに戻る
Return to the IASR HomePage(English)



ホームへ戻る