(平成20年3月31日〜6月29日)
【概要】
1.今回の報告期間は2008(平成20)年3月31日〜2008(平成20)年6月29日までの約3カ月。
2.新規HIV感染者報告数は276件(前回報告251件、前年同時期270件)で、過去2位。うち男性256件、女性20件で、前回および前年同時期より男女とも増加。
3.新規AIDS患者報告数は109件(前回報告94件、前年同時期110件)で、過去4位。うち男性103件、女性6件で、前回より男性は増加、女性は減少。
【HIV感染者およびAIDS患者の動向】
1.新規HIV感染者:
○同性間性的接触によるものが185件(全HIV感染者報告数の約67%)と最多。そのうち173件が日本国籍男性。
○異性間性的接触によるものが53件(全HIV感染者報告数の約19%)。そのうち男性41件、女性12件。
○年齢別では、特に20〜30代が多いが、50代以上でも前回および前年同時期より増加した。
2.新規AIDS患者:
○同性間性的接触によるものが53件(全AIDS患者報告数の約49%)。
○異性間性的接触によるものが33件(全AIDS患者報告数の約30%)。そのうち男性29件、女性4件。
○年齢別では、特に30代に多く、前回および前年同時期より増加した。
【検査・相談件数の概況(平成20年4月〜6月)】
1.保健所におけるHIV抗体検査件数は35,430件、自治体が実施する保健所以外の検査件数は6,776件、保健所等における相談件数は53,156件。
前年同時期に比べ、抗体検査数・相談件数ともに増加。
2.HIV検査普及週間および世界エイズデー以外の時期にも高い水準で推移し、検査件数は年々増加傾向。
【献血の概況(平成20年1月〜6月)】
1.献血件数(速報値)は2,504,367件(昨年同時期速報値2,456,788件)。
2.そのうちHIV抗体・核酸増幅検査陽性件数は58件(昨年同時期速報値40件)。
10万件当たりの陽性件数は2.316件(昨年同時期速報値1.628件)。前年より増加。
【まとめ】
1.各自治体においては保健所等を中心に、さらに利用者の利便性(夜間・休日・迅速検査)に配慮した検査・相談事業を推進し、予防に関する普及啓発に努めることが重要であり、HIV感染の早期発見による適切な治療の促進と感染拡大の抑制に努める必要がある。
2.国民はHIV・AIDSについての理解を深め、身近な間題として積極的に予防に努めるべきである。早期発見は、個人においては早期治療、社会においては感染の拡大防止に結びつくので、HIV抗体検査・相談の機会を積極的に利用していただきたい。