【概要】
1.今回の報告期間は2008(平成20)年6月30日〜2008(平成20)年9月28日までの約3カ月。
2.新規HIV感染者報告数は294件(前回報告276件、前年同時期274件)で、過去1位。うち男性 282件、女性12件で、前回および前年同時期より男性は増加、女性は減少。
3.新規AIDS患者報告数は119件(前回報告109件、前年同時期114件)で、過去2位。うち男性 104件、女性15件で、前回および前年同時期より男女とも増加。
【HIV感染者およびAIDS患者の動向】
1.新規HIV感染者:
○同性間性的接触によるものが211件(全HIV感染者報告数の約72%)と最多、そのうち204件が日本国籍男性。
○異性間性的接触によるものが54件(全HIV感染者報告数の約18%)、そのうち男性45件、女性9件。
○年齢別では、特に20〜30代が多いが、40代でも前回および前年同時期より増加した。
2.新規AIDS患者:
○同性間性的接触によるものが44件(全AIDS患者報告数の約37%)。
○異性間性的接触によるものが47件(全AIDS患者報告数の約39%)。そのうち男性37件、女性10件。
○年齢別では、特に30代以上に多く、40代以上は前回および前年同時期より増加した。
【検査・相談件数の概況(平成20年7月〜9月)】
1.保健所におけるHIV抗体検査件数は35,932件、自治体が実施する保健所以外の検査件数は7,800件、保健所等における相談件数は57,792件。前年同時期に比べ、抗体検査数・相談件数ともに増加。
【献血の概況(平成20年1月〜9月)】
1.献血件数(速報値)は3,779,436件(前年同時期速報値3,684,823件)。
2.そのうちHIV抗体・核酸増幅検査陽性件数は86件(前年同時期速報値73件)。10万件当たりの陽性件数は2.275件(前年同時期速報値1.981件)、前年より増加。
【まとめ】
1.各自治体においては、さらに利用者の利便性(夜間・休日・迅速検査)に配慮した検査・相談事業を推進し、予防に関する普及啓発に努めることが重要であり、HIV感染の早期発見による適切な治療の促進と感染拡大の抑制に努める必要がある。
2.国民はHIV・AIDSについての理解を深め、身近な問題として積極的に予防に努めるべきである。早期発見は、個人においては早期治療、社会においては感染の拡大防止に結びつくので、HIV抗体検査・相談の機会を積極的に利用していただきたい。