第3期・第4期麻しん風しんの予防接種率向上に向けた取り組み−浜松市
(Vol. 30 p. 44-45:2009年2月号)

はじめに
2008(平成20)年度から5年間、予防接種法に基づく定期予防接種として、中学1年生(第3期)と高校3年生(第4期)に相当する年齢の者に対して麻しん風しんの2回目の接種が位置づけられた。浜松市では「学校における麻しん対策ガイドライン」の積極的勧奨のスケジュールを参考に市内の中学校・高等学校の養護教諭と連携して勧奨に努めることとした。

接種勧奨の取り組み状況について
年度開始前からの連携が重要と考え、2008(平成20)年3月、養護教諭に第3期・第4期の制度説明と、今後の接種勧奨および調査協力依頼を行った。当市では予防接種事業をはじめ、思春期における性教育やエイズ予防事業等の開催にあたり養護教諭と定期的に連絡を行っているため、協力を得やすい環境にある。

4月には対象者への個別通知と併せて広報やホームページによる周知を行った。6月からは養護教諭の協力を得て、接種状況調査および接種勧奨の文書配布を実施した。文書についてはすべて市で準備をした。

年間3回の接種状況調査は学校ごとに実施し、市へ集計結果の報告を依頼している。1回目は生徒全員を対象に行い、2回目は1回目調査で未接種の生徒、3回目は2回目調査で未接種の生徒を対象とした(表1)。

この調査結果を未接種者の把握、接種勧奨の資料として各学校でも活用している。学校側からは、各市町により実施方法等が異なることから、市外在住の生徒への対応に苦慮しているとの報告を受けている。

おわりに
2008(平成20)年11月30日時点の接種率は79.1%(第3期)と77.0%(第4期)であり(図1)、学校との連携は一定の効果を示していると考えられる。要因としては、事前に学校へ協力を依頼したことで、6月までの重点的勧奨期間に効率的な勧奨を連携して行えたこと、広報やホームページによる周知を4月に行ったことが挙げられる。

しかし、市外の高等学校等へ進学している生徒や就労している対象者への周知・勧奨が手薄になる等の課題も挙げられる。

今後も、接種率95%の達成と次年度に向けた対応について検討していきたい。

静岡県浜松市保健所保健予防課

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