ベルギーでは1999年に国王令によって、ベルギー抗菌薬政策調整委員会(BAPCOC)が設立された。BAPCOCの目的は、人と動物における適正な抗菌薬使用の促進と、感染管理・病院衛生の改善により、薬剤耐性菌を減らすことである。この業務に対応するため、BAPCOCは、微生物学者、感染症感染管理専門家、疫学者、臨床医、薬剤師、看護師、獣医師、基礎研究者、公衆衛生専門家、健康経済学者からなる外来診療・入院診療・啓発活動・感染管理・獣医学の5分野にわたる作業部会で構成されている。
設立以来、公衆衛生、科学、政策の異なる分野が協力し合い、強力なリーダーシップを発揮し、エビデンスに基づいた数多くの介入を行った。例えば、地域社会における抗菌薬の適正使用を勧めるためのマルチメディアキャンペーン、病院における手指衛生向上のための全国的キャンペーン、臨床的手技に関するガイドラインの発行、ベルギーの全病院に抗菌薬管理チームを設立するために必要な職員配置と技術支援、人と動物における抗菌薬使用や薬剤耐性菌をサーベイランスするプログラムのサポート、さらに、研究を促進させるための資金提供も行っている。
これらの活動や介入の結果、ベルギーでは、抗菌薬使用と市中および病院内の耐性菌が減少した。
[Euro Surveill. 2008; 13(46): pii=19036]