複数の生の食品に関連したSalmonella Saintpaulの集団発生、2008年−米国
(Vol. 30 p. 218: 2009年8月号)

2008年5月22日、ニューメキシコ州保健局が米国疾病対策センター(CDC)に対し、同一パルスフィールド・ゲル電気泳動パターンを示すSalmonella Saintpaulの複数感染例を報告して以降、症例報告が相次ぎ、米国43州とワシントンDC、カナダにまで集団発生は拡大した。8月25日までに感染者1,442例、少なくとも286例が入院、サルモネラ感染が原因と考えられた2例が死亡した。症例の発症期間は4月16日〜8月11日で、多くは5、6月に発症していた。情報の得られた565例についてみると、男性が52%、白人79%、年齢は0〜99歳(中央値33歳)、20〜29歳の年齢群で発症率が最も高く、ニューメキシコ州とテキサス州での発症率が高かった。

CDCや州および地域の保健当局が行った7回の症例対照研究の結果では、生のトマト、サルサ(生トマトと生のハラペーニョペッパー入り)、グアカモーレ、トルティーヤ、ハラペーニョペッパー、セラノペッパーなどの食品がサルモネラ感染との関連を疑われた。その後、米国食品医薬品局(FDA)が疑われた食品の追跡調査を行い、トマトについては原因の究明に至らなかったが、ハラペーニョペッパーについては、栽培されたメキシコにある農場のハラペーニョペッパーから今回の集団発生株が検出された。また、近隣にある別の農場で栽培されたセラノペッパーおよび環境検体からも集団発生株が検出された。CDCとFDAは消費者に対し、メキシコ産のハラペーニョペッパーとセラノペッパーの摂取を控えるように警告した。サルモネラの汚染がどの段階で起こったのかは不明である。

(CDC, MMWR, 57, No.34, 929-934, 2008)

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