Shigella sonnei の遺伝子型別について
(Vol. 30 p. 319: 2009年12月号)

国立感染症研究所細菌第一部では、2008(平成20)年10月9日付通知(健感発第1009001号、食安監発第 1009002号)により赤痢菌の遺伝子型別を実施しております。当該型別ではパルスフィールド・ゲル電気泳動法(PFGE)が従前より実施されておりました。

しかしながら、S. sonnei については、東南アジア等からの輸入例を中心に類似のPFGEパターンを示す株が観察されることがしばしばありました(は一例)。そこで、近年発表されたmultilocus variable-number tandem-repeat analysis(MLVA)を検討した結果、輸入例をはじめ、わが国のS. sonnei 株でも有用であると考えられました()。これを受け、S. sonnei につきましてはPFGEおよびMLVAの結果を併せて遺伝子型別を実施しております。また、来年をめどに今後はMLVAの結果に基づいたタイプ名も結果に添えていく予定です。

平素よりの菌株送付へのご協力に感謝申し上げるとともに、今後も引き続き菌株送付にご協力お願い申し上げます。

 参考文献
1) Liang S-Y, et al ., J Clin Microbiol 45: 3574-3580, 2007
2) Izumiya H, et al ., J Med Microbiol 58: 1486-1491, 2009

国立感染症研究所細菌第一部 泉谷秀昌 寺嶋 淳 渡辺治雄

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