(平成21年6月29日〜9月27日)
【平成21年第3四半期】
【概要】
1.今回の報告期間は2009(平成21)年6月29日〜2009(平成21)年9月27日までの約3か月。
2.新規HIV感染者報告数は249件(前回報告266件、前年同時期294件)で、過去9位。そのうち男性234件、女性15件で、男性は前回(248件)および前年同時期(256件)より減少。女性は前回(18件)より減少したが、前年同時期(12件)より増加。
3.新規AIDS患者報告数は96件(前回報告116件、前年同時期119件)で、過去12位。そのうち男性89件、女性7件で、男性は前回(112件)および前年同時期(104件)より減少。女性は前回(4件)より増加したが、前年同時期(15件)より減少。
4.HIV感染者とAIDS患者を合わせた新規報告数は345件で過去10位。
【感染経路・年齢等の動向】
1.新規HIV染者:
同性間性的接触によるものが164件(全HIV感染者報告数の約66%)。そのうち156件が日本国籍男性。
異性間性的接触によるものが57件(全HIV感染者報告数の約23%)。そのうち男性46件、女性11件。
年齢別では、特に20〜30代が多く、50歳以上では前回および前年同時期より増加。
2.新規AIDS患者:
同性間性的接触によるものが42件(全AIDS患者報告数の約44%)。
異性間性的接触によるものが31件(全AIDS患者報告数の約32%)。そのうち男性25件、女性6件。
年齢別では、特に30代に多い。
【検査・相談件数の概況(平成21年7月〜9月)】
1.保健所におけるHIV抗体検査件数(速報値)は26,947件(前年同時期速報値35,932件)、自治体が実施する保健所以外の検査件数(速報値)は6,365件(前年速報値7,800件)。
2.保健所等における相談件数(速報値)は43,549件(前年同時期速報値57,792件)。前年同時期に比べ、抗体検査件数・相談件数ともに減少。
【献血の概況(平成21年1月〜9月)】
1.献血件数(速報値)は3,955,079件(前年速報値3,779,436件)。
2.そのうちHIV抗体・核酸増幅検査陽性件数(速報値)は79件(前年速報値86件)。10万件当たりの陽性件数(速報値)は1.997件(前年速報値2.275件)。
【まとめ】
1.感染経路は男性の同性間性的接触によるHIV感染が引き続き最多である。
2.自治体が実施するHIV抗体検査件数、保健所等における相談件数はいずれも前回、前年同時期と比較して減少した。
3.HIV抗体検査件数、相談件数の減少は新型インフルエンザの影響を受けた可能性がある。しかし、わが国でHIV感染者、エイズ患者が増加傾向にあることを考えると、引き続きエイズ対策を推進することが重要であり、少なくとも以下の対応を行っていく必要がある。
(1)保健所等におけるHIV抗体検査・相談を引き続き推進する。
(2)世界エイズデー等のイベントを積極的に利用し、HIV抗体検査の重要性について広く周知する。
(3)自治体におけるHIV抗体検査の実施情報等を周知する。