(平成21年9月28日〜12月27日)
【感染経路・年齢等の動向】
1.新規HIV感染者:
○同性間性的接触によるものが170件(全HIV感染者報告数の約70%)。そのうち159件が日本国籍男性。
○異性間性的接触によるものが45件(全HIV感染者報告数の約18%)。そのうち男性37件、女性8件。
○年齢別では、特に20〜30代が多く、40歳以上では前回および前年同時期より減少。
2.新規AIDS患者:
○同性間性的接触によるものが40件(全AIDS患者報告数の約48%)。
○異性間性的接触によるものが26件(全AIDS患者報告数の約31%)。そのうち男性23件、女性3件。
○年齢別では、特に30代以上に多い。
【検査・相談件数の概況(平成21年10月〜12月)】
1.保健所におけるHIV抗体検査件数(確定値)は27,887件(前年同時期41,238件)、自治体が実施する保健所以外の検査件数(確定値)は6,604件(前年同時期8,538件)。
保健所等における相談件数(確定値)は43,376件(前年同時期63,426件)。前年同時期に比べ、抗体検査件数・相談件数ともに大幅に減少。
【献血の概況(平成21年1月〜12月)】
1.献血件数(速報値)は5,287,101件(前年確定値5,077,238件)。
2.そのうちHIV抗体・核酸増幅検査陽性件数(速報値)は102件(前年確定値107件)。10万件当たりの陽性件数(速報値)は1.929件(前年確定値2.107件)。
まとめ
1.第4四半期はHIV抗体検査件数が例年最も多くなる時期であったが、今年は検査件数が伸びなかった。
2.12月の検査件数は、12月1日の世界エイズデーがあったにもかかわらず、ほとんど増加しなかった。検査普及週間のあった6月と比較しても抗体検査件数が少なかった。
3.HIV感染者、エイズ患者ともに前回および前年同時期と比較して減少したが、検査件数の減少と連動しているので、流行に歯止めがかかったとは言えない。
4.HIV感染者においては20歳代、エイズ患者においては50歳以上の増加が目立ち、年齢の拡大傾向が認められる。
《平成21年年間報告(速報値)》
【概要】
1.今回の報告期間は2008(平成20)年12月29日〜2009(平成21)年12月27日までの約1年(四半期ごと速報値の合計)。
2.新規HIV感染者は1,008件で過去3位。
3.新規AIDS患者は420件で過去2位。
4.合計は1,428件(一日当たり約3.9件)で過去3位。
※これまでの最高は、平成20年(確定値)でHIV感染者1,126件、AIDS患者431件、合計1,557件。
【感染経路・年齢等の動向(速報値)】
1.新規HIV感染者:
○同性間性的接触によるものが682件(全HIV感染者報告数の約68%)と最多。
○異性間性的接触によるものが209件(全HIV感染者報告数の約21%)。
○年齢別では、特に20〜30代が多い。
2.新規AIDS患者:
○同性間性的接触によるものが202件(全AIDS患者報告数の約48%)と最多。
○異性間性的接触によるものが 128件(全AIDS患者報告数の約30%)。
○年齢別では、特に30歳以上に多く、特に30代で大幅に増加。
【検査・相談件数の概況(平成21年1月〜12月)】
1.保健所等におけるHIV抗体検査件数(確定値)は150,252件(前年177,156件)で過去3位(過去最高は平成20年177,156件)。
2.相談件数は193,271件(前年230,091件)で過去3位(過去最高は平成20年230,091件)。
まとめ
1.前年と比較して、検査件数が約27,000件、相談件数が37,000件減少した。その一因として、新型インフルエンザの影響を受けた可能性は否定できない。
2.検査件数・相談件数が減少しているが、新規HIV感染者・エイズ患者ともに前年と比較して減少した。
3.新規HIV感染者・エイズ患者に占めるエイズ患者数の割合は増加した。
4.国民はHIV・エイズについての理解を深め、身近な問題として積極的に予防に努めるべきである。早期発見は、個人においては早期治療、社会においては感染の拡大防止に結びつくので、HIV抗体検査・相談の機会を積極的に利用していただきたい。