日本のHIV感染者・AIDS患者の状況
  (平成21年12月28日〜平成22年3月28日)
(Vol. 31 p. 180-182: 2010年6月号)

平成22年5月27日
厚生労働省健康局疾病対策課

第121回エイズ動向委員会委員長コメント

《平成22年第1四半期》
【概要】
1.今回の報告期間は2009(平成21)年12月28日〜2010(平成22)年3月28日までの約3か月。
2.新規HIV感染者報告数は227件(前回報告244件、前年同時期249件)で、過去15位。そのうち男性207件、女性20件で、男性は前回(235件)および前年同時期(235件)より減少、女性は前回(9件)および前年同時期(14件)より増加。
3.新規AIDS患者報告数は94件(前回報告84件、前年同時期124件)で、過去15位。そのうち男性91件、女性3件で、男性は前回(80件)より増加しているが、前年同時期(124件)より減少。女性は前回(4件)および前年同時期(8件)より減少。
4.感染者とAIDS患者を合わせた新規報告数は321件で過去15位。

【感染経路・年齢等の動向】
1.新規HIV感染者:
○同性間性的接触によるものが156件(全HIV感染者報告数の約69%)、そのうち148件が日本国籍男性。
○異性間性的接触によるものが50件(全HIV感染者報告数の約22%)、そのうち男性36件、女性14件。
○年齢別では、特に20〜30代が多い。

2.新規AIDS患者:
○同性間性的接触によるものが48件(全AIDS患者報告数の約51%)。
○異性間性的接触によるものが26件(全AIDS患者報告数の約28%)、そのうち男性25件、女性1件。
○年齢別では、特に30代以上に多い。

【検査・相談件数の概況(平成22年1月〜3月)】
1.保健所におけるHIV抗体検査件数(速報値)は23,664件(前年同時期37,641件)、自治体が実施する保健所以外の検査件数(速報値)は5,791件(前年同時期8,188件)。保健所等における相談件数(速報値)は38,035件(前年同時期58,200件)。前年同時期に比べ、抗体検査件数・相談件数ともに大幅に減少。

【献血の概況(平成22年1月〜3月)】
1.献血件数(速報値)は1,316,019件(前年速報値1,299,689件)。
2.そのうちHIV抗体・核酸増幅検査陽性件数(速報値)は14件(前年速報値28件)。10万件当たりの陽性件数(速報値)は1.064件(前年速報値2.154件)。

《まとめ》
1.自治体が実施するHIV抗体検査件数、保健所等における相談件数はいずれも前回、前年同時期と比較して減少した。
2.新規HIV感染者は前回と比較して減少し、新規AIDS患者は前回と比較して増加した。感染者・患者数に占めるAIDS患者報告数の割合は増加した。
3.感染経路は日本国籍男性の同性間性的接触によるものが引き続き最多である。
4.引き続きAIDS対策を推進することが重要であり、少なくとも以下の対応を行っていく必要がある。
 (1)保健所等におけるHIV抗体検査・相談を引き続き推進する。
 (2)HIV検査普及週間における各種取り組みを積極的に利用し、HIV抗体検査の重要性について広く周知する。
 (3)自治体におけるHIV抗体検査の実施情報等を周知する。

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