日本のHIV感染者・AIDS患者の状況
  (平成22年3月29日〜6月27日)
(Vol. 31 p. 336-338: 2010年11月号)

平成22年8月13日
厚生労働省健康局疾病対策課
第122回エイズ動向委員会委員長コメント
《平成22年第2四半期》
【概要】
1.今回の報告期間は2010(平成22)年3月29日〜2010(平成22)年6月27日までの約3か月。
2.新規HIV感染者報告数は263件(前回報告227件、前年同時期266件)で、過去8位。そのうち男性248件、女性15件で、男性は前回(207件)および前年同時期(248件)より増加、女性は前回(20件)および前年同時期(18件)より減少。
3.新規AIDS患者報告数は129件(前回報告94件、前年同時期116件)で、過去1位。そのうち男性125件、女性4件で、男性・女性とも前回および前々回より増加(男性前回91件、女性前回3件、男性前々回116件、女性前々回4件)。
4.HIV感染者とAIDS患者を合わせた新規報告数は392件で過去3位。

【感染経路・年齢等の動向】
1.新規HIV感染者:
○同性間性的接触によるものが175件(全HIV感染者報告数の約67%)。そのうち166件が日本国籍男性。
○異性間性的接触によるものが50件(全HIV感染者報告数の約19%)。そのうち男性39件、女性11件。
○母子感染によるものが1件[2006(平成18)年第2四半期以来]。
○静注薬物によるものが2件。
○年齢別では、特に20〜30代が多い。

2.新規AIDS患者:
○同性間性的接触によるものが68件(全AIDS患者報告数の約53%)。
○異性間性的接触によるものが35件(全AIDS患者報告数の約27%)。そのうち男性31件、女性4件。
○静注薬物によるものが2件。
○年齢別では、特に30代以上に多い。

【検査・相談件数の概況[2010(平成22)年4月〜6月]】
1.保健所におけるHIV抗体検査件数(速報値)は25,136件(前回報告23,664件、前年同時期30,320件)、自治体が実施する保健所以外の検査件数(速報値)は6,555件(前回報告5,791件、前年同時期6,714件)。
保健所等における相談件数(速報値)は39,928件(前回報告38,035、前年同時期48,643件)。前回報告と比べ増加したものの、前年同時期に比べ、抗体検査件数・相談件数ともに減少。

《検査・相談に関連した厚労省の対応と結果》
1.6月1日〜7日はHIV検査普及週間である。厚生労働省も期間前および期間中にRED RIBBON SUMMIT、街頭キャンペーン、HIV無料検査等を実施した。
2.6月の検査件数は昨年6月並みに復活したが、4月、5月の件数の落ち込みが著しかった。

【献血の概況[2010(平成22)年1月〜6月]】
1.献血件数(速報値)は2,666,292件(前年速報値2,617,896件)。
2.そのうちHIV抗体・核酸増幅検査陽性件数(速報値)は39件(前年速報値53件)。10万件当たりの陽性件数(速報値)は1.463件(前年速報値2.025件)
3.島根県より献血での陽性が3件報告された[1986〜2009(昭和61年〜平成21)年では2件]。

《まとめ》
1.検査件数が減少している中で、エイズ患者は四半期報告では過去最多の件数が報告された。より検査を受けやすい体制を強化するなど、エイズ発症以前に検査により感染を発見できるような対策を強化する必要がある。
2.自治体が実施するHIV抗体検査件数・保健所等における相談件数は、2008(平成20)年第4四半期をピークに減少傾向にあり、現在は2006(平成18)年の水準に低迷している。国民の関心が薄れていることが危惧され、普及啓発を推進する必要がある。
3.保健所等における検査で陽性者が報告されていない自治体において、献血での陽性者が複数報告された。地域的な検査体制の状況を確認する必要がある。日本赤十字社では検査目的での献血はお断りしている。
4.4年ぶりに母子感染が報告された。母子感染については、適切な感染防御対策を講じることで、感染率を1%以下にまで制御することが可能であることを周知する必要がある。
5.静注薬物による感染の報告が合計4件あった。動向を注視する必要がある。

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