東京都におけるアタマジラミの相談状況等について
(Vol. 31 p. 351-352: 2010年12月号)

はじめに
東京都では、1982(昭和57)年旧厚生省通知に基づき、昭和57年度よりアタマジラミを含む衛生害虫等の相談状況等調査を実施してきた。その後、国の省庁再編等により、2001(平成13)年にこの通知は廃止されたが、東京都では調査を継続し現在に至っている。

調査概要
調査は、「相談件数報告」として吸血昆虫や刺咬昆虫等12大分類と、種類別87小分類について実施している。アタマジラミは吸血昆虫のシラミ類として集計している。

また、アタマジラミおよびコロモジラミについては、別途「被害発生状況報告」として、実際に被害のあった個別事例について集計している。

調査方法は、都内保健所および各区市町村のねずみ・衛生害虫行政主管部署に調査依頼し、毎月、報告を受けている。

なお、「相談件数報告」は、都民から寄せられた相談件数の集計であるため、被害件数、駆除件数、個体発生件数など、被害実態を直接表すものではないこと、また、「被害発生状況報告」は、アタマジラミとコロモジラミの区別はしていないため、アタマジラミのみの被害発生状況を集計したものではないこと、に留意する必要がある。

調査結果
(1)相談件数報告:図1は、近年の「アタマジラミの年度別相談件数」の推移を示したものである。

1998(平成10)年度に一時的に1,000件を超えたものの、その後2005(平成17)年度までは600件前後で推移していた。2006(平成18)年度には再び1,000件を超え、2007(平成19)年度には1,935件となり、近年では最も多い相談件数となったが、2008(平成20)年度以降は減少している。近年の相談件数は一時的な増加と減少を繰り返しているが、相対的には微増傾向を示している。

図2は、近年の「アタマジラミの月別相談件数」を示したものである。

6月が928件、11月が920件と多く、次いで10月が857件、7月が774件であった。6、7月の初夏と10、11月の秋の時期に多い傾向がみられた。また、それ以外の時期でも500件前後の相談件数があった。アタマジラミは人に寄生しているため季節に影響されず、一年を通じて行動しているものと推測される。

(2)被害発生状況報告:図3は、近年の「アタマジラミおよびコロモジラミの場所別被害発生状況」を示したものである。

保育園・幼稚園が最も多く50%、次いで個人宅が23%、小学校・中学校が16%であった。個人宅からの相談では、保育園児や幼稚園児のいる家庭からの相談が多いものと推測される。

また、年齢別の被害発生状況では、被害者の約9割が11歳以下の子どもであった。

おわりに
本調査は、都民から寄せられるねずみ・衛生害虫等の日常生活に関わる相談状況等を把握するための情報源として重要であることから、今後とも継続していくとともに都民のニーズに即した普及啓発資料を作成していく予定である。

東京都福祉保健局健康安全部環境衛生課指導係 三部光央

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