(平成22年6月28日〜9月26日)
【感染経路・年齢等の動向】
1.新規HIV感染者:
○同性間性的接触によるものが180件(全HIV感染者報告数の約70%)。そのうち176件が日本国籍男性。
○異性間性的接触によるものが37件(全HIV感染者報告数の約14%)。そのうち男性28件、女性9件。
○母子感染によるものが1件。
○年齢別では、特に20〜30代が多いが、40代および50歳以上も多い。
2.新規AIDS患者:
○同性間性的接触によるものが50件(全AIDS患者報告数の約45%)。
○異性間性的接触によるものが29件(全AIDS患者報告数の約26%)。そのうち男性24件、女性5件。
○静注薬物によるものが0件。
○年齢別では、特に30代以上に多いが、50歳以上で増加が見られる。
【検査・相談件数の概況[2010(平成22)年7月〜9月]】
1.保健所におけるHIV抗体検査件数(速報値)は26,850件(前回報告25,136件、前年同時期26,645件)、自治体が実施する保健所以外の検査件数(速報値)は7,334件(前回報告6,555件、前年同時期6,253件)。
2.保健所等における相談件数(速報値)は43,735件(前回報告39,928、前年同時期43,052件)。
前回報告および前年同時期に比べ、抗体検査件数・相談件数ともに増加。
【献血の概況[2010(平成22)年1月〜9月]】
1.献血件数(速報値)は3,999,981件(前年速報値3,955,079件)。
2.そのうちHIV抗体・核酸増幅検査陽性件数(速報値)は61件(前年速報値79件)。10万件当たりの陽性件数(速報値)は1.525件(前年速報値1.997件)。
《まとめ》
1.HIV感染者、エイズ患者ともに、前回報告件数と比較して減少したものの、前年同時期と比較すると増加しており、増加傾向にあることには変わりない。
2.自治体が実施するHIV抗体検査件数・保健所等における相談件数は、2008(平成20)年第4四半期をピークに減少傾向にあったが、今回(第3四半期)は検査普及週間のあった第2四半期よりも増加しており、減少傾向に一定の歯止めがかかったといえる。特に8月に検査・相談件数が増加しているが、これは8月に「四半期ベースではエイズ患者の報告数が過去最大になった」ことなどが報道されたこと等が考えられる。
3.HIV感染者とAIDS患者を合わせた新規報告数に占めるAIDS患者の割合は約3割と引き続き非常に高い。これは早期検査・早期治療の重要性を示している。
4.前回に引き続き今回も母子感染が報告された。母子感染については、適切な感染防御対策を講じることで、感染率を1%以下にまで制御することが可能であることを、引き続き広く周知する必要がある。
5.12月1日はWHOが定めた世界エイズデーである。厚生労働省や自治体等において、世界エイズデーに合わせたキャンペーンが予定されており、国民にはこの機会を通じてHIV/エイズに対して関心を持っていただきたい。