日本のHIV感染者・AIDS患者の状況
  (平成22年12月27日〜平成23年3月27日)
(Vol. 32 p. 175-177: 2011年6月号)

平成23年5月23日
厚生労働省健康局疾病対策課

第125回エイズ動向委員会委員長コメント

《平成23年第1四半期》
【概要】
1.今回の報告期間は2010(平成22)年12月27日〜2011(平成23)年3月27日までの約3か月。
2.新規HIV感染者報告数は243件(前回報告303件、前年同時期227件)で、過去16位。そのうち男性226件、女性17件で、男性は前回(295件)より減少、前年同時期(207件)より増加、女性は前回(8件)より増加、前年同時期(20件)より減少。
3.新規AIDS患者報告数は117件(前回報告119件、前年同時期94件)で、過去6位。そのうち男性107件、女性10件で、男性は前回(116件)より減少、前年同時期(91件)より増加、女性は前回(3件)および前年同時期(3件)より増加。
4.HIV感染者とAIDS患者を合わせた新規報告数は360件で過去12位。

【感染経路・年齢等の動向】
1.新規HIV感染者:
○同性間性的接触によるものが166件(全HIV感染者報告数の約68%)、そのうち160件が日本国籍男性。
○異性間性的接触によるものが41件(全HIV感染者報告数の約17%)、そのうち男性30件、女性11件。
○静注薬物によるものは1件。
○年齢別では、特に20〜30代が多い。

2.新規AIDS患者:
○同性間性的接触によるものが68件(全AIDS患者報告数の約58%)。
○異性間性的接触によるものが25件(全AIDS患者報告数の約21%)、そのうち男性19件、女性6件。
○静注薬物によるものが1件。
○年齢別では、特に30代以上に多い。

【検査・相談件数の概況(平成23年1月〜3月)】
1.保健所におけるHIV抗体検査件数(速報値)は24,475件(前回報告27,211件、前年同時期23,789件)、自治体が実施する保健所以外の検査件数(速報値)は6,680件(前回報告7,511件、前年同時期6,162件)。
2.保健所等における相談件数(速報値)は39,094件(前回報告42,030件、前年同時期38,650件)。
抗体検査件数および相談件数は前回報告に比べ減少、前年同時期に比べ増加した。

【献血の概況(平成23年1月〜3月)】
1.献血件数(速報値)は1,327,109件(前年速報値1,316,019件)。
2.そのうちHIV抗体・核酸増幅検査陽性件数(速報値)は29件(前年速報値14件)。10万件当たりの陽性件数(速報値)は2.185件(前年速報値1.064件)。

《まとめ》
1.HIV感染者、エイズ患者ともに、前回報告件数と比較して減少した。
2.HIV抗体検査件数および相談件数は一年のうちでピークになる第4四半期より減少したが、前年同時期より増加している。
3.HIV抗体検査・相談件数およびエイズ動向に対する震災の影響については、今後の経過を注視する必要がある。
4.献血血液におけるHIV抗体・核酸増幅検査陽性件数(速報値)が増加している。
5.早期発見は、個人においては早期治療、社会においては感染の拡大防止に結びつくので、HIV抗体検査・相談の機会を積極的に利用していただきたい。

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