麻しん・風しん予防接種率向上への文部科学省の取り組み
(Vol. 33 p. 40-41: 2012年2月号)

2007(平成19)年に高校・大学を中心とする学校等での流行を経験したことから、学校における麻しん発生および流行を繰り返さないようにするため、2008(平成20)年4月から向こう5年間に限り、第3期:中学校1年生に相当する年齢の者、第4期:高校3年生に相当する年齢の者が新たに麻しん・風しん定期接種の対象者に位置づけられることとなった。

これを受けて、平成20年度以降、文部科学省では厚生労働省・国立感染症研究所と協力して、接種対象となった生徒に向けてのリーフレットを作成し、学校において予防接種未接種・麻しん未罹患の者に対する積極的な接種の勧奨が行われるよう、依頼してきた。

2011(平成23)年度については、TBSの協力を得て、人気テレビドラマである、日曜劇場「JIN‐仁‐」とのタイアップ・リーフレットを作成した。ドラマのテーマに重ねた、「現代(いま)なら守れる」というキャッチコピーの下、第3期・第4期の予防接種を勧奨するリーフレットとし、4月以降、全国の中学1年生・高校3年生に向けて配布した(http://www.mext.go.jp/a_menu/kenko/hoken/08032517.htmhttp://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/23/03/1302738.htm)。

2012(平成24)年度は、第3期・第4期の麻しん・風しん定期接種が行われる最終年度となるが、配付するリーフレットには、中高生の知名度も高い、FIFA女子ワールドカップ2011ドイツで優勝した「なでしこJapan」の写真を用いることを予定しており、さらにリーフレットに掲載するためのキャッチコピーを、当事者である中学生、中等教育学校生、高等学校生および高等専門学校学生から募集したところ、4,000件近い応募があった。同年代の視点に立った広報啓発活動を展開することで、生徒たちに強い印象を与え、麻しん・風しん予防接種の必要性を、自身の問題としてとらえられるようになることを狙っている。

文部科学省スポーツ・青少年局学校健康教育課 学校保健対策専門官 有賀玲子

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