厚生労働省健康局疾病対策課
《平成23年第４四半期》
【概要】
１．今回の報告期間は平成23年９月26日〜平成23年12月25日までの約３か月
２．新規HIV感染者報告数は294件（前回報告265件、前年同時期303件）で、過去２位。そのうち男性274件、女性20件で、男性は前回（251件）より増加、前年同時期（295件）より減少、女性は前回（14件）および前年同時期（８件）より増加
３．新規AIDS患者報告数は106件（前回報告108件、前年同時期119件）で、過去16位。そのうち男性94件、女性12件で、男性は前回（105件）および前年同時期（116件）より減少、女性は前回（３件）および前年同時期（３件）より増加
４．HIV感染者とAIDS患者を合わせた新規報告数は400件で過去４位
【感染経路・年齢等の動向】
１．新規HIV感染者：
○同性間性的接触によるものが193件（全HIV感染者報告数の約66％）、そのうち187件が日本国籍男性
○異性間性的接触によるものが65件（全HIV感染者報告数の約22％）、そのうち男性52件、女性13件
○静注薬物によるものは４件（うち、その他に計上されているものが３件）
○年齢別では、特に20〜30代が多い
２．新規AIDS患者：
○同性間性的接触によるものが54件（全AIDS患者報告数の約51％）
○異性間性的接触によるものが35件（全AIDS患者報告数の約33％）、そのうち男性27件、女性８件
○年齢別では、特に30代以上に多い
【検査・相談件数の概況（平成23年10〜12月）】
１．保健所におけるHIV抗体検査件数（確定値）は28,627件（前回報告24,806件、前年同時期27,211件）、自治体が実施する保健所以外の検査件数（確定値）は8,256件（前回報告6,544件、前年同時期7,511件）
２．保健所等における相談件数（確定値）は44,239件（前回報告40,886件、前年同時期42,030件）
抗体検査件数および相談件数はともに前回および前年同時期と比較して増加した。
【献血の概況（平成23年１〜12月）】
１．献血件数（速報値）は5,252,182件（前年速報値5,318,586件）
２．そのうちHIV抗体・核酸増幅検査陽性件数（速報値）は89件（前年速報値86件）。10万件当たりの陽性件数（速報値）は1.695件（前年速報値1.617件）
《まとめ》
１．新規HIV感染者報告数は前回より増加し、新規エイズ患者報告数は前回より減少した。
２．HIV抗体検査件数および相談件数はともに前年同時期と比べ増加した。
３．早期発見は、個人においては早期治療、社会においては感染の拡大防止に結びつくので、HIV抗体検査・相談の機会を積極的に利用していただきたい。
- 感染症法に基づくエイズ患者・HIV感染者情報(平成23年9月26日〜平成23年12月25日)
- 1. 性別・感染経路別患者/感染者数
- 2. 性別・年齢別患者/感染者数
- 3. 性別・感染地域別患者/感染者数
- 患者・感染者数の累計(平成23年12月25日現在)
- 都道府県別患者・感染者累積報告状況
- (参考)献血件数およびHIV抗体・核酸増幅検査陽性件数 (厚生労働省医薬食品局血液対策課)
《平成23年年間報告（速報値）》
【概要】
１．今回の報告期間は平成22年12月27日〜平成23年12月25日までの約１年（四半期ごと速報値の合計）
２．新規HIV感染者は1,019件で過去５位
３．新規エイズ患者は467件で過去２位
４．合計は1,486件で過去４位
※これまでの最高は、平成20年（確定値）でHIV感染者1,126件、AIDS患者431件、合計1,557件。
【感染経路・年齢等の動向（速報値）】
１．新規HIV感染者：
○同性間性的接触によるものが685件（全HIV感染者報告数の約67％）と多数を占める
○異性間性的接触によるものが208件（全HIV感染者報告数の約20％）
○静注薬物によるものは12件（うち、その他に計上されているものが８件）
○母子感染によるものが１件
○年齢別では、特に20〜30代が多い
２．新規ＡＩＤＳ患者：
○同性間性的接触によるものが250件（全AIDS患者報告数の約54％）と多数を占める
○異性間性的接触によるものが131件（全AIDS患者報告数の約28％）
○静注薬物によるものは１件
○年齢別では、特に30歳以上に多い
【検査・相談件数の概況（平成23年１〜12月）】
１．保健所等におけるHIV抗体検査件数（確定値）は131,243件（前年130,930件）で過去４位（過去最高は平成20年177,156件）。
２．相談件数は163,006件（前年164,264件）で過去６位（過去最高は平成20年230,091件）。
《まとめ》
１．平成23年は、平成22年と比較して検査件数は微増し、相談件数は微減した。
２．速報値の段階ではあるが、新規HIV感染者数の増加傾向が鈍化している可能性とHIV感染対策の重要性について議論された。引き続きHIV感染対策を強化すべきである。
３．新規エイズ患者数は、過去最多の件数（平成22年）とほぼ同数であり、新規HIV感染者・エイズ患者に占めるエイズ患者数の割合は、最近３年間は増加傾向にある。従って検査が未だ十分行き届いていないことが示唆される。国民は積極的に検査を受けて欲しい。
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