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黄熱はわが国には関係がないようだが,アフリカや南米では危険なウイルス病であるから流行状況を紹介しておく。
1979年の黄熱の流行状況はアフリカでは506例の患者,死者120例であった。ガーナに流行があり,患者数494例で北部に始まり,全国に拡がった。1978年10月にガンビアに流行が起こり,届出数は患者30例,死亡30例であったが,その後の臨床調査で容疑271例,死亡63例となったが,ワクチンのキャンペーンで収まった。セネガルでは2人のフランス人ツーリストがガンビア国境に近い町に旅行し,パリに帰って発病し,死亡している。診断は死後病理学的になされ,急性期血液からウイルスが分離されている。
南米のボリビア,ブラジル,コロンビア,エクアドル,ペルー,トリニダッドトバゴ,ベネズエラにジャングル黄熱205例発生し,161例が死亡している。
(WHO,W.E.R,,No.45,7/11,1980)
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