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1986年12月,急性精神病棟のナース4名が肝炎を発症,すべてELISAで抗HA・IgM陽性,全員が同時に感染したとすると潜伏期は16〜28日と推定された。関係者の調査により,他に8例の感染が見つかり,このうち4例は一地方女性保護施設と関連した。この施設は家庭暴力被害者女性・子供の一時的保護施設である。施設関係の初発患者は9月23日発病女性(37日前に他施設から移入),以後の患者は11月3日(3歳女児),11月21日(13歳女児),12月1日(13歳男児)。
ナースとの接点は10月23日から28日間,当施設から病棟に入院した女性で,母親入院中,ナース達が生後15ヶ月の子供の世話をした。この子供は2週間無黄疸性A型肝炎症状があった。
クリスマスシーズンのため施設は閉鎖せず,衛生対策が強化された。施設の共同生活と子供が多いことが感染病伝播の源となることが多い。サーベイランスシステムの強化が,早期発見と封じ込めの助けとなるかもしれない。今回は早期警告を与えられなかった。
(CDR,87/27,1987)
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