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Vol.10 (1989/11[117])

<国内情報>
小児の髄膜炎菌性髄膜炎発生事例−愛媛県


 法定伝染病の1つである髄膜炎菌性髄膜炎(流行性髄膜炎)の届出は数少ない。愛媛県の南部に位置する喜多郡内子町の保育園では,6歳と5歳の女児が髄膜炎菌性髄膜炎と臨床診断され,保健所に届けられた。小児の髄液を採取して培養の結果,菌の形態,糖の分解能などの性状からNeisseria meningitidis(以下N.meningitidis)と同定した。さらに,埼玉県衛生研究所の御協力を得て血清型別を行い,N.meningitidisB群と判明した。小児2名の臨床症状では,発熱,頭痛などがみられ,一時意識障害もみられた。同じクラスの園児が同時期に発病したため,疫学調査を実施したが,園内感染はみられなかった。愛媛県では,昭和52年以来,12年ぶりの患者発生であった。



愛媛県立衛生研究所 斉藤 健,菅 成器,吉田 紀美,井上 博雄





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