1988年に31例のレジオネラ症が確認された。菌分離による診定は３例で，いずれもL.pneumophila，血清型１であった。うち２例は死亡例からの分離である。患者の多くは血清診断によったが，抗体価が４倍以上上昇したか，間接蛍光抗体試験で256倍以上のものを陽性とした。L.pneumophla，血清型１以外の抗体上昇をみたのはL.pneumophla，血清型６，L.anisa，L.micdadei等であった。L.anisaによるレジオネラ症は本例が初めてで，患者の痰から菌が分離された。L.pneumophila，血清型１による患者27名中22名が40〜69歳，男女比は2.4：１であった。海外由来は10例で，スペイン，トルコ，ドミニカ共和国，アメリカ合衆国，ポルトガル，ユーゴスラビア等で感染したものである。

（ＷＨＯ，ＷＥＲ，65，No.13，1990）