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Vol.11 (1990/5[123])

<外国情報>
ペスト,1990−マダガスカル


 本年1〜2月に首都アンタナナリボで6名のペスト患者(うち1名は肺ペスト)が確認されたのを皮切りに疑似患者48名が入院し,接触者250名についてサーベイが行われている。死亡者は8名で,うち2名はペストによることが確認された。同時期,首都から250km離れたアンボシトラで58名の真性患者と169名の疑似患者が発生し,12名が死亡した。さらに首都から400kmのフィアナランツォーアで10例が報告された。患者の多くは腺ペストである。

 ペストは感染ラットの蛋を介して人に感染し(腺ペスト),エロゾールによって人から人に感染する(肺ペスト)。未治療の腺ペストの死亡率は50%以上であるが,初期の適切な化学療法(ストレプトマイシン,テトラサイクリン,クロラムフェニコール)で救命できる。初期症状は発熱,悪寒,震え,筋痛,頭痛,虚脱,鼠頸部あるいは腋窩部の痛み等である。流行地への流行者は厳重な注意が必要である。

(WHO,WER,65,No.11,1990)






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