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Vol.11 (1990/6[124])

<外国情報>
食品由来A型肝炎−米国


 A型肝炎(HA)報告が増加中(1989年は10万対14.5)で,1988年の報告では7.3%が食品または水由来HAであった。

 アラスカで1988年6〜8月,人口4千の村でコンビニエンスストアの氷飲料が原因とみられるHA32例とその家族内感染23例が血清学的に確認された。1従業員が感染していたとみられ,氷飲料用の水と用具の管理に問題があった。フロリダでは1988年8月,HA61例を確認,患者のほとんどが発症前6週以内に共通源の生カキを食べた。潜伏期は29(16〜48)日。カキは規定区域以外の養カキ場で収穫され,汚水処理の不備による汚染が確認された。ノースカロライナでは1988年9月以降Aレストラン(約400食/日を常連に提供)を共通源とする32例の発生があり,1従業員がIgM抗HAV陽性,患者・対照調査でアイスティーが疑われた。ワシントンでは1989年4〜5月,213例のHAが発生,うち55%がAレストランチェーン店で喫食した。全従業員ともIgM抗HAV陰性,衛生状態に問題はなく,感染源は不明であった。上記報告から,HA感染予防には,食品取り扱い者の衛生面のトレーニング,養貝場水槽サーベイランスの強化,適切な調理があげられる。食品取り扱い者がHAと診断された場合は他の従業員への免疫グロブリン投与が推奨される。暴露後2週以内ならば有効だが,集発発生後では無効である。

(CDC,MMWR,39,No.14,1990)






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