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WHOのHIV−2協力グループはWBの判定基準を検討するため,14国でHIV−2WB(+)とされた135の血清を集め,2つのWHO協力ラボでHIV−1およびHIV−2WBキット4種類を用いて再検査した。さらに一部は免疫沈降反応(RIPA)とtransmembrane-related synthetic peptide assay(Pasteur Peptilav 1-2)を行った。2つのラボの成績はよく一致し,135中HIV−2のみ(+)が81(60%),HIV−1のみ(+)が18(14%),両方(−)が34(25%),両方(+)が2(2%)とされた。判定保留はなかった。HIV−2(+)と判定された81はすべてHIV−2WBで少なくとも2本のenvelope glycoprotein(gp)バンドを示した。HIV−1(+)とされた検体の30%はまた,HIV−2gp 105に反応した。上記結果にもとづき提案されたHIV−2WBの判定基準は以下の通り。
陽性:gag,polの有無に関係なく3本のenvバンド(env precursor,external and transmembrane glycoproteins)のうち2本が検出された場合
陰性:HIV特異的バンドがない場合
判定保留:上記以外
この基準は今後他のキットの試験結果によって変更がありうる。本グループはさらにWBについて,使用抗原の標準化,HIV−2抗原の数や特異性についての周知徹底,レファレンス血清の整備,HIV−1判定基準の再検討とHIV−1,HIV−2間の交叉反応性の確認研究を勧告した。
(WHO,WER,65,No.10,1990)
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