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Coccidioides immitisは土壌中に生息する真菌で,米国南西部,北部メキシコで患者がみられ,カナダ人もこれら地域を旅行すると感染が起こりうると考えられる。今回報告された症例はHIV持続感染者(36歳男性,1991年4月AIDSと診断)が,1991年11月にカリフォルニアを旅行中感染したと考えられ,症状が急速に悪化したものである。
1992年1月7日,トロントの救急病院に入院,この時カポジ肉腫と胸部に帯状疱疹有,左上肢,腹部に膿瘍を認め,胸部X線で葉状硬化像・び慢性浸潤像を認めた。皮膚,血液,尿のスメア染色像および培養でC.immitis感染が証明された。アンホテリシンBを投与するも入院後23日で死亡,剖検で肺,リンパ節,脾に多数の肉芽腫を認め,これらから培養でC.immitisが検出された。
(Canada,CDR,18−19,149,1992)
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